化学史シンポジウム

 日本化学会秋季年会における連合討論会として,化学史学会と日本化学会の共催の形で1990年から1997年までに計6回開催されました。

 それは,企画者の一人・山口達明氏によれば,「研究現場にいる化学者が自分の専門分野の流れを整理して語り,自らの研究の占める位置を再認識する『化学者による化学者のための化学史』(立花太郎,…)の場となることを期待し」, 「化学史に興味を示す化学者の数が増え,化学史の裾野が広がっていくことを期待して」の企画でした。

 なお,この「化学史シンポジウム」は現在では続いていませんが,化学史学会と日本化学会の関係は様々な形で続いています。
 
[参考]山口達明「新企画・化学史シンポジウムについて 」第18巻(1991): 84. さらに,立花太郎「化学史学会に対する私のヴィジョン ―会長退任の辞に代えて―」第29号(1984年): 125; 立花太郎「化学者による化学者のための化学史」第17巻(1990): 1-2; 山口達明「アメリカ化学会・化学史部門の年会プログラムをながめて 」第36号(1986年): 121-122.

第1回化学史シンポジウム(1990)

シンポジウム1 ノーベル賞の成立と化学

  • 成定薫「創設期のノーベル財団と化学賞」第17巻(1990): 98
  • 川崎勝「ノーベル賞選考過程をめぐって」第17巻(1990): 99
  • 鬼頭秀一「鈴木梅太郎とノーベル賞」第17巻(1990): 100
  • [特別講演]福井謙一「わが研究を顧みて 」 第18巻(1991): 51-63

シンポジウム2 日本近代化学工業の成立と特徴

  • 津田覚「温室効果の動向」第17巻(1990): 101-102
  • [特別講演]宗像英二「研究―特に探究について(体験に基づく見解)」第17巻(1990): 96-97
  • 飯島孝「わが国のアセトアルデヒド製造技術の発展―水俣病と関連して―」第17巻(1990): 103
  • 神保元二「わが国における化学工学の発展―化学工業の近代化の一側面―」第17巻(1990): 104
  • 鎌谷親善「日本近代化学工業の成立期における特徴」第17巻(1990): 105

第2回化学史シンポジウム

  • 「第2回化学史シンポジウム プログラム」第18巻(1991): 100
  • [第2回化学史シンポジウム特別講演]高木徳二「触媒学会の歴史―原点から現在までの歩み―」第18巻(1991): 101-102
  • [第2回化学史シンポジウム特別講演]廣田鋼蔵「触媒研究回顧―1960年まで―」第18巻(1991): 102-103
  • [第2回化学史シンポジウム]延与三知夫「触媒化学研究センターの歴史」第18巻(1991): 104-105
  • [第2回化学史シンポジウム]山口達明「ラングミュアによる水の熱分解―温度勾配系における表面反応の先駆的研究―」第18巻(1991): 106
  • [第2回化学史シンポジウム]市原昭一「自動車触媒の歴史」第18巻(1991): 107-108
  • [第2回化学史シンポジウム]高宮信夫「小林久平の酸性白土の発見」第18巻(1991): 109-110
  • [第2回化学史シンポジウム]八嶋建明「ゼオライト触媒30年」第18巻(1991): 111
  • [第2回化学史シンポジウム]山崎一雄「柴田桂太・柴田雄次の均一系錯体触媒の発見」第18巻(1991): 112
  • [第2回化学史シンポジウム]尾崎萃「触媒の発見と発展」第18巻(1991): 113

第3回化学史シンポジウム

  • 「第3回化学史シンポジウムプログラム」第19巻(1992): 139
  • [第3回化学史シンポジウム]渡辺其久男「石油開発の歴史―太古から現代までの歩み―」第19巻(1992): 14-141
  • [第3回化学史シンポジウム]山崎豊彦「石油天然ガス回収技術研究を顧みて」第19巻(1992): 142-143
  • [第3回化学史シンポジウム]三輪宗弘「人造石油と対米開戦経緯」第19巻(1992): 144
  • [第3回化学史シンポジウム]鎌谷親善「京都大学附置化学研究所と燃料研究」第19巻(1992): 145-146
  • [第3回化学史シンポジウム]山本為親「放電による天然ガスよりアセチレンの製造とイソオクタンの合成の工業化計画」第19巻(1992): 147-148
  • [第3回化学史シンポジウム]森田義郎「炭素質燃料利用技術の変遷と展望」第19巻(1992): 149
  • [第3回化学史シンポジウム]石川新一郎「新津油田の発見とその盛衰」第19巻(1992): 150-151
  • [第3回化学史シンポジウム]石川文三「殖産協会の系譜と人脈―日本石油誕生の背景―」第19巻(1992): 152-153
  • [第3回化学史シンポジウム]高宮信夫「蒲原粘土と石油精製」第19巻(1992): 154-155
  • [第3回化学史シンポジウム]森島宏「我が国石油鉱業技術の発展」第19巻(1992): 156-157

第4回化学史シンポジウム

  • [第4回化学史シンポジウム]旨竹内敬人「ファント・ホッフとウェルナー―有機化学の立場から―」第20巻(1993): 134-135
  • [第4回化学史シンポジウム]山寺秀雄「配意結合の理論の変遷」第20巻(1993): 136-137
  • [第4回化学史シンポジウム]斎藤喜彦「わが国における錯体の構造研究の歴史」第20巻(1993): 138

第5回化学史シンポジウム

  • [第5回化学史シンポジウム]高瀬勉「変革の時代における企業のR&D」第21巻(1994): 212
  • [第5回化学史シンポジウム]平野二郎「筑波における企業研究所のR&D」第21巻(1994): 213
  • [第5回化学史シンポジウム]神保元二「粉体光学の形成と粉体技術における研究開発」第21巻(1994): 214
  • [第5回化学史シンポジウム]佐伯康治「企業におけるR&Dの課題―ポリマー素材メーカーを中心にして―」第21巻(1994): 215

第6回化学史シンポジウム

  • [1997年度化学史シンポジウム]吉田忠「ヘンリーのもう1つの翻訳書」第24巻(1997): 180
  • [1997年度化学史シンポジウム]芝哲夫「岩手県の生んだ科学者大島高任」第24巻(1997): 181-182
  • [1997年度化学史シンポジウム]鎌谷親善「近世日本における酒造り」第24巻(1997): 183-184
  • [1997年度化学史シンポジウム]力丸光雄「宮澤賢治と科学・化学」第24巻(1997): 185-186