国際ワークショップ発表者募集

下記の化学史国際ワークショップ開催にあたり、発表者を募集します。

化学史国際ワークショップ
「1920年代から1960年代における化学の変容」
The International Workshop on the History of Chemistry “Transformation of Chemistry from the 1920s to the 1960s” (IWHC 2015)
2015年3月2日~ 4日
(東京工業大学大岡山キャンパス)


本ワークショップは、科学研究費助成事業(基盤研究(B))「日本化学の転換点としての1930〜60年の比較科学史的研究」(課題番号42300295)の研究グループが主催するもので、化学史学会、The Commission on the History of Modern Chemistry (CHMC)の協賛、日本化学会と日本科学史学会の後援で開催されます。ワークショップは、招待者による基調講演、セッションでの発表、最後の全体討論からなります。今回の公募では、セッションで発表する一般講演者を募集します。なお、招待講演者は、以下の予定です。

Professor Jeffrey Johnson
(Villanova University, USA)
Professor Mary Jo Nye
(Oregon State University, USA)
Professor Ernst Homburg
(University of Maastricht, The Netherlands)
合わせて、古川安化学史学会会長(日本大学教授)が趣旨説明の講演を行うことになっています。

(趣旨説明)

1920年代から60年代にかけて、化学では大きな転換が起こりました。たとえば、生化学や高分子化学、量子化学、計算化学が発展し、また機器革命も起りました。新技法や新理論、新技術が新しい分野を切り拓き、化学工業が国民経済の最重要部門となりました。化学は第二次世界大戦や冷戦の影響を受け、環境問題にも深く関わって、その結果、化学のイメージにも変化が生じました。

日本の化学も、この時期大きく発展しました。19世紀末から20世紀初頭には、明治維新後に生まれ、近代的な教育機関に育てられた日本の研究化学者の第一世代が活躍を始めました。彼らは、世界の研究競争で勝ち抜くために、日本周辺の天然物のようなローカルな産品を研究対象に、欧米の最新の理論・技法で研究しました。しかし、1980年代以降に日本でノーベル化学賞を受賞した化学者たちは、そのような研究戦略をとる必要はなく、欧米の化学者たちとまったく同等のレベルで研究競争をして、新理論を発見し新技法を開発し、新しい分野を切り拓きました。彼らの研究は、主として1940年代から60年代になされたものです。

本国際ワークショップは、1920年代から60年代における日本と世界の化学の転換と変容について、比較史的な観点から明らかにしようとするものです。この時期の化学史研究は、まさに始まったばかりで、国際的にも国内的にも国際ワークショップを日本で開催することには大きな意義があるでしょう。

(国際ワークショップの発表テーマ一覧)

高分子化学、量子化学、計算化学の成立、生化学と分子生物学の誕生、化学における機器革命、化学工学の発展、化学工業の変化、化学と環境、第二次世界大戦における化学、化学と冷戦、化学における国際コミュニケーション、化学遺産など。

(一般講演論文の募集要項)

2014年5月30日までに400語以内の英文の発表要旨をワークショップのホームページ「https://kagakushi.org/iwhc2015」に投稿をお願いします。本ワークショップに関する問い合わせも、このホームページからお願いします。発表者は20名以内で、発表論文の採否は、2014年7月1日まで投稿者に伝える予定です。採用された発表者は、2014年12月16日までに7000語以内の英文論文を上記ワークショップホームページにアップロードします。これは、コメンテーターに渡されます。また、発表論文は、選択して論文集として出版予定です。

(ワークショップの参加費等)

ワークショップ参加費は1万円、ワークショップ懇親会費は8千円。ワークショップ後のエクスカーション(自費参加)も予定しています。

(会場と日程)

会場:東京工業大学大岡山キャンパス
2015年 3月2日(月) 登録とレセプション 最初の基調講演
3月3日(火)~4日(水) ワークショップ
3月5日(木) エクスカーション(希望者)
発表言語 英語(同時通訳付きの予定)
なお、発表なしの参加も可能です。そのための参加申込み締め切りは、2014年12月1日です。問い合わせは上記ホームページからご連絡ください。

(組織委員会)

梶 雅範 (委員長) 東京工業大学大学院准教授
川島慶子 名古屋工業大学准教授
菊池好行 総合研究大学院大学特任准教授
河野俊哉 東京大学研究員
古川安 日本大学教授
大野誠 愛知県立大学教授
田中浩朗 東京電機大学教授
塚原東吾 神戸大学大学院教授
内田正夫 和光大学助教
八耳俊文 青山学院女子短期大学教授・学長
吉本秀之 東京外国語大学教授
Jeffrey Johnson, Villanova University, USA

(国際プログラム委員会)

古川安(委員長) 日本大学教授
梶 雅範 東京工業大学大学院准教授
菊池好行 総合研究大学院大学特任准教授
Jeremiah James, Ludwig-Maximiliams-Universität, Germany
Jeffrey Johnson, Villanova University, USA
Peter Morris, Science Museum, UK
Carsten Reinhardt, Chemical Heritage Foundation, USA-Germany
Brigitte Van Tiggelen, Mémosciences, Belgium

リンク:IWHC 2015 (英文)