古川安 前会長がモリス賞を受賞

イギリスの化学史学会(The Society for the History of Alchemy and Chemistry, SHAC)は,本会前会長の古川安氏に2018年のモリス賞(Morris Award)を授与したと発表しました。(菊池理事からの情報)

モリス賞は,同学会が1900年以降の化学工業史または化学史の優れた学術的業績に対して3年に1度授与するものです。

古川前会長への授賞では,化学とその化学工業との関係に関する歴史の優れた業績,特に Inventing Polymer Science: Staudinger, Carothers, and the Emergence of Macromolecular Chemistry (1998)や『化学者たちの京都学派—喜多源逸と日本の化学』(2017)が高く評価されました。また,これらの著書や『科学の社会史』を含むその他の著作には統一的なテーマがあるとも言われ,その研究は,産業界の応用化学と基礎的な理論化学との諸関係を探究するものだ評価されています。

研究業績に加えて,古川前会長の化学史コミュニティへの貢献も言及されています。『化学史研究』(本会機関誌)の編集委員長を5年間,化学史学会の会長を6年間(2016年まで)務めたこと,国際的には,現代化学史委員会(Commission on the History of Modern Chemistry, CHMC)に関わり,いくつかのセッションの運営で重要な役割を果たしたこと,などが紹介されています。

(事務局)