ロアルド・ホフマン『これはあなたのもの』上演決定と、シンポジウム『ノーベル賞と産業』開催のお知らせ

川島慶子会員より,下記の情報(会誌2016年3号にも掲載)が寄せられましたのでお知らせいたします(事務局)。

『化学史研究』2014年の第41巻, 第3号(No. 148)で紹介いたしました、1981年度ノーベル化学賞受賞者ロアルド・ホフマン(コーネル大学名誉教授)作の自伝的戯曲『これはあなたのもの』の名古屋公演(於:名古屋工業大学)が決定いたしましたのでお知らせします。これを機に、作者であるホフマン博士自身も、観劇のために名古屋に来られることになりました。そこで名古屋工業大学では、この来日を記念して、ホフマン博士に劇の解説をしていただくと共に、テクノフェアの基調講演を兼ねて、博士の専門である化学に関するシンポジウムを開催することにいたしました。これには、ホフマン博士と同時にノーベル化学賞を受賞した福井謙一の研究家である、我が学会の会長古川安氏と川島も発表者として参加いたします。従いまして、ここには化学史的要素も満載です。
みなさまにおかれましては、この貴重な機会に、ぜひ、ご観劇とシンポジウムにお越しいただければ幸いです。また、劇につきましては、来年に関東の方での上演も計画されております。関東での細かい予定がわかりましたら、再度会員の皆様にお知らせいたします。

ロアルド・ホフマン 原作者 コーネル大学名誉教授
1937 年ポーランドのズウォーチュフ(現ウクライナ)生まれ。 ナチスのユダヤ人迫害のため、幼少時に父を殺され、母と二人でウ クライナ人の家にかくまわれる。戦後の 1949 年に渡米。1965 年よ りコーネル大学の教員になる。専門は量子化学。化学反応における ウッドワード・ホフマン則を明らかにし、1981 年のノーベル化学賞 を福井謙一と共に受賞。化学者であると同時に、詩人・劇作家とし ても活躍している。劇作としては、カール・ジェラシィと共著の『酸素』が有名。

参考ページ:戯曲「これはあなたのもの」

■■■ 予定 ■■■

1.『これはあなたのもの』(場所はいずれも名古屋工業大学講堂)

1-1.2016年11月3日(木):13時から
(上演前にロアルド・ホフマン博士の解説あり:日本語レジュメ付き)
名古屋工業大学のホームカミング・ディの行事の一環として行われるが、
一般参加も可能。事前申し込みが必要(下記サイトで申込可)。
http://www.nitech.ac.jp/guest/hcd/ceremony/index.html

1-2.2016年11月5,6日(土,日):13時から
(上演前に演出家と川島慶子の解説あり)
名古屋工業大学の公開講座の一環として行われる。
事前申し込みが必要(下記サイトの(2)-(4)の方法でお申し込みください)。
公開講座情報:http://www.nitech.ac.jp/course/kouza/chugaku/23.html
申込方法:  http://www.nitech.ac.jp/course/kouza/application.html

2.『テクノフェア特別シンポジウム 〜 ノーベル賞と産業 〜』(名古屋工業大学テクノフェア2016)

日時:2016年11月2日(水)13時から15時、
場所:名古屋工業大学4号館1階ホール(入場自由,申込不要)

挨拶:鵜飼裕之(名古屋工業大学学長)
(1) ノーベルの夢の体現か?:マリー・キュリーのノーベル賞受賞(川島慶子:名古屋工業大学教授)
(2) 燃料化学から量子化学へ:福井謙一と創造性(古川安:日本大学教授)
(3) 理論科学から化学産業へ: 医薬品類の発展(中村修一:名古屋工業大学准教授)
(4) The Tension Between Theory and Applications, Between Academia and Industry, in Contemporary Chemistry、現代化学における緊張関係:理論と応用、アカデミズムと産業界(ロアルド・ホフマン:1981年度ノーベル化学賞受賞者、コーネル大学名誉教授)日本語レジュメ付き
(5) パネルディスカッション(池内了(座長):名古屋大学名誉教授)