Emil Hermann Fischer, 1852-1919
E.フィッシャーは「生物化学の父」としばしば呼ばれるが,これは彼が生物化学分野で重要な三種類の物質,プリン類,糖類,蛋白質について広範囲な研究を行ったからである。フィッシャーの最も重要な研究成果と言えば,糖類の立体構造を確立し,ファント・ホッフとル・ベルが独立に主張していた不整炭素原子理論の強力な実証データを出しことである。かつホルムアルデヒドとグリセリンからグルコース,フラクトース,マンノースなどの糖類を合成しこれらが光学異性体の一種であるエピマーであることを明確にした。糖類の形態学と系統学を完成させたのは1894年である。