投稿者: admin

サイエンス・カフェ「科学史サロン」のお知らせ

私たちが現在普通に使っている理論や材料は突然に世の中に現れた訳ではありません。そこには先人達が少しづつ作り上げていった「けものみち」があります。今回の科学史サロンでは先人達が何を考えていたか想像しながら、のんびりとした時間を過ごしたいと思っています。

日 時:開催予定日の17:00~19:00

場 所:東京工業大学大岡山キャンパス 南8号館 623号室
    http://www.titech.ac.jp/about/campus/index.html

主 催:東京工業大学 国際高分子基礎研究センター 続きを読む »

『化学史研究』第36巻第3号(2009.9)

会誌『化学史研究』第36巻第3号(通巻第128号)が発行されました(2009.9.15発行、全60頁)。 続きを読む »

【化学者の肖像2】エミール・フィッシャー(1852-1919)

Emil Hermann Fischer, 1852-1919
Emil Fischer E.フィッシャーは「生物化学の父」としばしば呼ばれるが,これは彼が生物化学分野で重要な三種類の物質,プリン類,糖類,蛋白質について広範囲な研究を行ったからである。フィッシャーの最も重要な研究成果と言えば,糖類の立体構造を確立し,ファント・ホッフとル・ベルが独立に主張していた不整炭素原子理論の強力な実証データを出しことである。かつホルムアルデヒドとグリセリンからグルコース,フラクトース,マンノースなどの糖類を合成しこれらが光学異性体の一種であるエピマーであることを明確にした。糖類の形態学と系統学を完成させたのは1894年である。

フィッシャーの4番目の研究テーマは彼が憩いの場とした森の地衣類である。その新しい挑戦,蘚苔類の成分やタンニンの研究に取り組んだのは,1908年,56歳の頃である。生涯,現役化学者であったフィッシャーだが,多病だった。少年時代からの胃カタルは持病だった。酸化水銀と脂肪族ヒドラジンとの反応で水銀中毒を起こしたり(1881),糖類の研究に用いたフェニルヒドラジンの為に神経と皮膚を害していたので,終生これらの害から逃れることはできなかった。エルランゲン大学時代の最後の年,1887年頃には一年間,研究から遠ざかったのは,癌の兆候が既にでていたのではないかと推察されている。さらに,悲惨だったのは第一次世界大戦中に次男と三男を失くしたことであろう。1919年の夏にも67歳の老躯に鞭打って実験室で働いたが,7月15日病魔に倒された。

写真は北海道大学理学部の廊下で化学の進捗を眺め続けた実験中のフィッシャーである。

(山岡望『化學史傳』内田老鶴圃新社, 1968, pp. 396-429には業績や周辺の化学者が詳しく述べられている。また,自伝の邦訳として,エミール・フィッシャー『一化學者の想ひ出』桑田智訳,平凡社,1946がある。)

*会誌第36巻第3号(2009.9)から転載。写真と文提供:金城徳幸会員。

第6回化学史研修会

第6回化学史研修会

日 時 2009年8月22日(土)13時〜16時50分(12時30分受付開始)

場 所 立教大学 4号館4階4406教室
    〒171-8501 東京都豊島区西池袋3−34−1
    http://www.rikkyo.ac.jp/access/pmap/ikebukuro.html
    http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/

主 催 化学史学会 続きを読む »

科学史サマースクール「どう教えよう? 科学史・数学史」

日  程 2009年8月27日(木)〜29日(土)
場  所 立教大学 池袋キャンパス12号館会議室
企画運営 数学史研究会有志(あらゆる学会,大学等の機関から独立な,数学史愛好者の集団です)
詳しくは http://homepage3.nifty.com/michiyo-nakane/

公募情報:日本大学生産工学部(准教授)

日本大学生産工学部が「科学思想・環境論・コスモロジーなど現代科学の重要諸課題について幅広く研究」している准教授(1名)を公募しています。

応募締切:2009年9月15日(必着)

詳しくは、日本大学生産工学部の公募情報をご覧ください。

公募情報:東京工業大学大学院社会理工学研究科(教授)

東京工業大学大学院社会理工学研究科が「技術史(科学技術社会(STS)論を含む)」を専門とする教授(1名)を公募しています。

応募締切:2009年9月1日(必着)

詳しくは、東京工業大学大学院社会理工学研究科の公募情報(pdf)をご覧ください。

公募情報:広島大学大学院総合科学研究科(教授または准教授)

広島大学大学院総合科学研究科が「科学社会学・科学技術史」を専門とする教授または准教授(1名)を公募しています。

応募締切:2009年8月31日(必着)

詳しくは、広島大学大学院総合科学研究科の公募情報(pdf)をご覧ください。

学会賞に関する内規改定のお知らせ

改定された「学会賞に関する内規」を掲載しました。 続きを読む »

2009年度化学史研究発表会(年会)

2009年度化学史学会年会ポスター

日 時 2009年7月4日(土)・5日(日)

場 所 大阪大学 豊中キャンパス 文系総合研究棟5階
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1

主 催 化学史学会
後 援 (社)日本化学会
協 力 大阪大学21世紀懐徳堂

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